ビッグデータマガジン

日本発・シリコンバレーの第一線で活躍するビッグデータ・ソリューション企業 FlyDataさまインタビュー

time 2014/08/21

日本発・シリコンバレーの第一線で活躍するビッグデータ・ソリューション企業 FlyDataさまインタビュー

ビッグデータ業界のキーパーソンにお話をうかがう「ビッグデータマガジン・インタビュー」。
米国に籍を置きクラウド型データインテグレーション事業を展開するFlyData。Amazon Redshiftと連携したサービスで注目を集める同社を率いる、ファウンダーの藤川幸一さまにお話をうかがいました。

 

■まずは自己紹介をお願いします。

ビッグデータマガジン インタビュー FlyData

FlyData株式会社 ファウンダー 藤川幸一さま

 

学生時代からスタートアップに関わっていました。ヤフー、シリウステクノロジーズなどのスタートアップ企業で開発業務を担当し、リーダーとしてプロジェクト推進も行っていました。その後は、技術リーダーとして、シンプレクス・テクノロジーで銀行・証券業務等の金融システム開発に携わりました。2010年にFlyData(旧Hapyrus)を設立し、現在はシリコンバレーで活動しています。

他にも、日本JRubyユーザグループを発足したり、gihyo.jpにて技術連載(「AWS・Amazon Redshift Monthly Updates」)、Think ITにて連載(「エンジニア藤川幸一のシリコンバレー起業生活」)も行っています。

 

■御社のサービスについて教えてください。

弊社の始まりは、2009年経産省未踏プロジェクト(経産省が突出した個人の技術開発を支援する取り組み)に採択されたことです。Amazon Redshiftと連携したクラウド型データインテグレーション事業を行っており、より多くの人(特にデータサイエンティスト)がクラウド上のビッグデータを気軽に使える環境を整えたいと思っています。

事業は大きく2つに分かれており、Amazon Redshiftへのデータアップロードサービス(FlyData)と、Amazon Redshiftの導入支援サービスを行っています。FlyDataはさらに2つのサービスに分かれます。

1つはFlyData Autoloadという、自動的・継続的にAmazon RedshiftやAmazon S3バケットにデータをアップロードするサービスです。JSON形式(JavaScript Object Notation。XMLなどと同様のテキストベースのデータフォーマット)のままインポート可能ですので、データを加工する必要がありません。

もう1つは、FlyData Syncという、既存のRDBMSとAmazon Redshiftのデータをリアルタイムに統合するサービスです。タイムラグが少なく同じデータ型に変換し、データを統合することができます。

 

ビッグデータマガジン FlyDataさまインタビュー

FlyData様の資料より抜粋
(クリックにより拡大表示されます)

 

Amazon Redshiftの導入支援サービスは、通常なら半年ほどかかる導入期間をわずか1日で完了させ、さらにデータの完全性、ハンドリング、セキュリティ、メンテナンスを全て弊社でサポートするというものです。Amazon Redshiftを独自に導入しようとする場合、複雑なステップに対応しなければならず、基本的にセキュリティやメンテナンス面のサポートもありませんので、弊社のサービスを利用することで構築の手間を省くことができます。

資金面では、起業後数年以内のインターネット系企業へ小額投資を行うマイクロVCおよびインキュベーターの中で「スーパーエンジェル」と称されるトップ企業「500Startups」をはじめ、日米の著名投資家から累計300万ドル(約3億円)以上を調達しています。また、全世界に5,6社しかない、Amazon Redshiftの「データインテグレーションパートナー」として認定されています。

 

■ユーザ事例を教えてください。

代表的な事例を2つご紹介したいと思います。この他にも、弊社のホームページには導入事例が掲載されていますので、併せてご覧いただければ幸いです。

(FlyData活用事例集: https://www.flydata.com/ja/resources/use-cases/

 

<ユーザー事例>大手モバイルゲーム株式会社enish様

複数のゲームタイトルを有する、日本の代表的なソーシャルゲーム提供企業における事例です。

顧客はMySQLというオープンソースのデータベースに大量のログデータを保有していましたが、あまりにもデータが大量なため、システムがしばしばダウンしてしまい、その復旧に大きな時間とコストがかかっていました。また、過去の全データを使った分析なども不可能な状態でした。

弊社はこの現状に対して、FlyData Autoloadを導入することで複数タイトルのログデータをJSON形式に統一して出力し、Amazon Redshiftへ自動的に送信するように支援しました。これにより「データが壊れる」「長期の連続データに対応できない」という問題が解決し、メンテナンスのためのコストが大幅に削減できました。また、今までシステムダウンの対応に追われていたエンジニアは、空いた時間をリアルタイム分析によるアプリ開発に回すことが出来るようになりました。

 

<ユーザー事例>オンラインメディア会社Tokyo Otaku Mode様

Facebook上で1500万件以上の「いいね!」を獲得した、アメリカのメディアスタートアップにおける事例です。

顧客ではウェブサイトの行動ログを分析することでユーザー動線を把握したり、コンバージョン率(ユニークユーザーが、商品購入や資料請求などウェブサイト上から獲得できる最終成果に至るまでの割合)に対するファネル分析を行っていました。

行動ログはJSON形式で取得しており、これをmongoDB(SQLデータベースに近いNoSQL。NoSQLについては、過去記事【ビッグデータと「NOSQL 」クラウディアン株式会社】を参照)に格納していました。ところが集計クエリの性質上、mongoDBでは十分なパフォーマンスが出ていませんでした。

弊社はこの現状に対して、複雑な(入れ子の)JSON形式のログをFlyData Autoloadを利用してAmazon Redshiftへ自動的に送信するようにリプレイスを支援しました。その結果、以前は処理に20分ほどかかっていた分析クエリが、1分以内で終了するようになり、行動ログの分析やファネル分析の時間が大きく短縮化されました。

時短効果もさることながら、スタートアップ企業ということで、導入までのスピードも重要でしたが、このケースでは、わずか2週間でシステム全体の構築を完了させました。また、日々増大するデータに対応できるように、将来に渡るスケーラビリティも確保できています。

 

■人材に関して、課題だと感じることをお聞かせください。

ビッグデータを、自らのビジネスに適用できる人材、データ分析後の推論ができる人材、データ分析の勘所のある人材が不足しいているように思います。そのように、先を見通したビッグデータ活用を行うには、マーケットや製品に対する知識・思い入れが必要になってくると思います。

また、この分野は技術の進展が早く、キャッチアップをしていくのは大変だと思いますが、価値を生み出す“本質”は変わらないと思います。例えばSQLを深く理解することができれば、今後ツールが変わっても同じように適応していくことができますので、そのような“データ分析の本質を押さえた人材”は必要ですね。そのような人材の育成のためにも、今はビッグデータについて深く話せる場がないので、お互いにビッグデータをビジネスに活用しようとしている人が交流できる場は、今後必要になってくるかと思います。

今までの「勘」と「経験」のビジネスと、ビッグデータを組み合わせることができる、リテラシーのある人はあまり多くはありません。データサイエンティストという職業も、アメリカではしっかりとした職種として認知されていますが、日本ではまだ注目され始めた段階です。データサイエンティストが評価される環境が整えば、状況は変わっていくだろうと思います。例えば、米ウォルマートラボでは各部署にデータサイエンティストがおり、よりビジネスの現場に近い場所で活躍しています。

そのように、アメリカではデータサイエンティストがビジネスに深く関わる文化が既にあります。一方、日本にはSIer文化があり、今まで高度なIT技術は、ほとんど外の人間に任せてしまっていました。結果、自社内にITに精通した人材が育ってこなかった背景があります。そのような文化の違いも、データサイエンティストの育成に関係していると思いますので、M&A等でアメリカの文化が日本企業に入ってくれば、一つの変わるきっかけにはなるでしょう。

 

■最後に、ビッグデータマガジンの読者の皆さまに、メッセージをいただけますか。

ビッグデータマガジン インタビュー FlyData

藤川幸一さま(中央)、日本担当の山本哲也さま(左)、
ビッグデータマガジン廣野(右)

ビッグデータは特別なものではありません。ビッグデータ特有のクセや、やらなければならないことは確かにありますが、普通のデータとビッグデータの違いは、根本的には「量」だけです。

あまり難しく考えず、「量」の変化に伴う「質」の変化に注意して、チャレンジしてみてください。そして、もしビッグデータに興味を持たれたら、この分野はアメリカが主流ですので、 渡米もひとつの選択肢かと思います。

皆さんが「データ」と「ビジネスの勘」の相乗効果を生みだし、ビッグデータをビジネスに活かしていけるよう願っています。

 

 

 

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