ビッグデータマガジン

オンプレミスとクラウドの垣根をなくしたデータの可視化と活用 ウイングアーク1stさまインタビュー(後編)

time 2015/03/25

オンプレミスとクラウドの垣根をなくしたデータの可視化と活用 ウイングアーク1stさまインタビュー(後編)

ビッグデータ業界のキーパーソンにお話しをうかがう「ビッグデータマガジン・インタビュー」。ウイングアーク1stさまインタビュー前編では、事例を中心にお話しをうかがいました。
後編となる今回は、Dr.Sum EAやMotionBoardといったBIツールの開発を牽引する、開発本部 BI開発統括部 統括部長の島澤甲さまにお話しをうかがいました。

 

――まずは島澤さんの自己紹介をお願いします。

技術者として、一貫してソフトウェア開発に携わってきました。SIにおける受注開発ではなく、グローバル市場まで見据えたより広いユーザーの心に響くパッケージ製品の開発に全力投球したいという思いがあり、そのフィールドを探していたときにウイングアーク1stと出会いました。

ウイングアーク1stさまインタビュー

ウイングアーク1st
開発本部 BI開発統括部 統括部長 島澤甲氏

特にこだわりを持って取り組んでいるのが、データの可視化です。一言で可視化といってもさまざまなレベルがありますが、どのようにデータを見せるかによって、ユーザーの気づきや意思決定は大きく変わってきます。これまでになかった“驚き”を与えられるようなデータの可視化を実現すべく、チャレンジを続けています。

また、データを単に見えるようにするだけでは意味がありません。いかに次のアクションにつなげていくかがビジネスでは重要であり、それを簡単に行えるようにする仕組みづくりも、日々追求している大きなテーマです。

 

 

――現在、どんなパッケージ製品の開発を手がけているのでしょうか。

開発本部において、主に「Dr.Sum EA」「Dr.Sum EA Datalizer」および「MotionBoard」といったBI製品の開発に携わっています。

Dr.Sum EAは、ビッグデータ活用やクラウド連携も可能な集計・分析プラットフォームです。蓄積された膨大なデータを、一般社員から経営者まで誰でも自由な切り口で分析し、業務に役立てることができます。一方のMotionBoardは、企業システムに集められる情報を可視化し、刻一刻と変化するビジネスシーンや企業内情報をキャッチアップする、モバイルやクラウドにも対応した新世代の情報活用ダッシュボードです。

特にMotionBoardは、私が入社した頃から開発に深く関わってきた製品で、現在も自ら新機能のプログラミングにあたっています。

 

 

――MotionBoardではどんな機能強化を図っているのですか。

最近、注力しているのが地図機能の拡充です。BIツールにおいて地図機能は重要なコンポーネントの一つであり、MotionBoardのお客様からも強く求められていました。例えば、離れた場所にある複数の工場や倉庫の間で、いつ、どんなモノを、どれくらいの数量を移動したのかといった実績をリストで眺めても、ほとんど気づきは得られません。これを地図上にマッピングして可視化することにより、実際にモノがどのように動いているのかを一目瞭然で把握できるようになります。

ウィングアーク1st MotionBoard

MotionBoard画面
(クリックにて拡大表示されます)

ウィングアーク1st MotionBoard

MotionBoard画面
(クリックにて拡大表示されます)

 

このように非常に有益であるにもかかわらず、なぜ今まで実装できていなかったのかというと、地図の利用は版権が厳しいのです。例えば、Googleマップなどの既存サービスを社内システムに組み込もうとすると多額のライセンス費が発生します。そのコストを製品に上乗せしたのでは、お客様に大きな負担を強いることになってしまいます。

そこで私たちは、「OpenStreetMap」というオープンソースの地理情報データを利用し、地図そのものを独自開発することを決断しました。もちろん簡単なことではありません。個々の建物を認識できるレベルの詳細な地図を作り上げるためには、全世界で約900億枚の画像を用意する必要があります。とりあえず全世界の主要な道路と日本国内の詳細をカバーする20億枚の画像を自動生成することから始めたのですが、当初それには約3,000年かかると算出されました(笑)。アルゴリズムの見直しや計算ノードの並列化などを重ねて高速化を図り、1か月程度で生成できるところまで何とかこぎ着けました。

その結果、私たちはまったく“しがらみ”のない地図を手に入れ、MotionBoardの標準機能として実装することができたのです。元がオープンソースのデータですから、追加コストは発生せず、利用も自由です。同様の成功例は、他社製のBIツールには見られません。

 

――地図機能をより便利にビジネスで活用できるようにするオプションも提供しているとうかがいました。

MotionBoardのクラウド版である「MotionBoard Cloud」には既に投入され、5月発売の「MotionBoard Ver5.5」でも提供する「リアルタイムGEOコーディング」です。地図上で特定の場所を丁目番地レベルで可視化する際には、住所を緯度/経度情報に変換しなければなりません。これが「GEOコーディング」ですが、この処理には長時間を要するため、従来はあらかじめ住所を緯度/経度情報に変換しておき、その結果をデータベースなどに格納しておく必要がありました。

私たちは、この処理をあらかじめ住所を緯度/経度に変換せずに、画期的に短縮することに成功し、10万件のデータを0.3秒程で処理できるようにしました。ユーザーは事前にデータ加工をすることなく、入力した住所情報を即時に可視化・活用することができるのです。その使いやすさと活用範囲が広がり、例えば社員が交換した名刺情報をMotionBoardに蓄積することで、顧客の場所を地図上にプロットし、ルート営業時にスマートフォンやタブレットからも確認できるようにするなど、CRM/SFAツールのような活用も可能となります。次のアポイントまでに空き時間ができたとき、近隣の顧客先にもちょっと顔を出す・・・といった効率的な営業活動が可能となります。

 

ウィングアーク1st MotionBoard

MotionBoard画面
(クリックにて拡大表示されます)

ウィングアーク1st MotionBoard

MotionBoard画面
(クリックにて拡大表示されます)

 

 

――クラウドサービスの活用は、今後もどんどん進んでいくのでしょうか。

 

オンプレミスとクラウドの垣根をなくしたBIやビッグデータ活用の仕組みづくりに注力しています。クラウドサービスを利用する際に大きな課題となっていた、社内データの活用を大幅に効率化するソリューションとして、独自技術(特許取得済み)をベースに新たに開発した「MotionBoard Bridge Service」の提供を開始しました。

これまでのクラウド型BIソリューションは、社内データをクラウドに明示的にアップロードするか、専用線やVPNによってオンプレミスとクラウドの環境を接続することで情報活用を行ってきました。

しかし、重要な社内データは必ずしも統合的に管理されているわけではありません。先に少し触れた名刺情報のように、個々の社員がそれぞれのPC上で、自分なりのやり方で管理している情報もあります。

MotionBoard Bridge Serviceは、こうしたデータをオンプレミス側で集約・一元化してクラウドに上げる必要性をなくし、専用線やVPNによるインフラの構築も不要にします。社内のファイルサーバーや各ユーザーのPCなどで管理されているExcelやCSVなどのファイル、各種データベースの情報を直接活用できるようになり、更新されたデータをリアルタイムで把握することができます。

導入の手間を大幅に軽減している点も大きな特長で、エージェントソフトを対象デバイスにインストールするだけで作業は完了します。VPN構築レベルの高度な専門知識も不要で、マウス操作だけで導入が可能です。もちろん、データのセキュリティは厳重に担保されており、「誰が、いつ、何に対して、どのような集計を行ったか」といったトレーサビリティログも提供します。

 

――ビッグデータマガジンの読者の皆様に向けて、メッセージをお願いします。

ウィングアーク1stさまインタビュー

ウイングアーク1st(株)
執行役員CMO 小島 薫氏(右)
開発本部 BI開発統括部長 島澤甲氏(左)

パッケージ製品やクラウドサービスは、ある意味で社会の共有財産としての側面を持っているというのが私たちの考えです。お客様の「やりたいこと」や「こうなればいいな」というニーズに対して、常に前向きに対応していきます。それこそが国産ソフトウェアベンダーとしての腕の見せ所であり、私たちはプライドを持って取り組んでいます。

今後もウイングアーク1stは、お客様がこれまで慣れ親しんできたユーザー環境を損なうことなく、なおかつ追加コストを抑えながら、データをより高度に可視化できるシームレスな情報活用のソリューションを提案していきます。

 

【関連記事】
「現場力」を高めるデータ活用ソリューションを提供 ウイングアーク1stさまインタビュー(前編)
http://bdm.change-jp.com/?p=2459

 

 

 

 

 

 

    

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