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次世代IoTと発展に向けた4つの課題

time 2015/09/25

次世代IoTと発展に向けた4つの課題

IoT元年と呼ばれる2015年。さまざまものがインターネットにつながるようになってきました。例えばこちらをご覧ください。

Panasonic Smart Mirror
https://www.youtube.com/watch?v=cu2W4NZkVEc

パナソニックが開発したスマートミラーという鏡です。この鏡に映し出された自分の顔に、バーチャルな化粧を施したり、髪型を変えたりすることが可能です。最近では、この鏡のように、家の中のあらゆるものがインターネットにつながり、可視化や遠隔操作などの機能を実現するようになってきています。

そして、ビジネスの世界では、よりあらたな使い方が模索されています。例えば、ロシアの情報セキュリティ会社カスペルスキーでは、オフィスに入館する際に利用されるRFIDと呼ばれる小型の電子バーコードを体内に埋め込んだ社員まで登場しているそうです。(出典:http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3221287/Would-microchipped-Kaspersky-implants-chip-man-s-hand-one-day-used-pay-goods-unlock-home.html

これまでのスマートフォンやタブレットなどを主体としたIoTの時代を第一世代と呼ぶとすると、明らかに「次世代のIoT」が登場しつつあるのがわかります。

では、今後順調にIoTの市場は発展していくのでしょうか。今後のIoT活用や普及にむけては、次の4つの課題を克服していく必要があると考えられています。
「データ分析者不足の課題」「技術の広範囲化の課題」「電力供給に関する課題」「人的ミスに関する課題」の4つです。

次世代IoT4つの課題

IoT普及に向けた4つの課題

 

1.データ分析者不足の課題

1つめの「データ分析者不足の課題」は、IoTが生み出す大量のデータを使って、故障の予兆や機械の自律的な動きを実現する高度な分析スキルを持った人材の不足をさします。すでに、このような人材は市場でも価値が高騰しており、採用することが非常に困難です。

そこで、社内の有力な人材をデータサイエンティストとして育成(提供「データサイエンティスト育成検討事務局」:http://ds.change-jp.com/model.html#map)するという方法や、外部の有識者の知恵を借りる方法などが代案として考えられます。

特に後者の外部の有識者の知恵を借りる方法としては、以前よりKaggle(カグル)というサイトが注目を集めています。

次世代IoT4つの課題

Kaggleホームページ
出典: https://www.kaggle.com/

全世界30万人以上のデータサイエンティストが登録し、最適なモデルのコンペティション(競争)を行っているポータルです。実際に登録してみると、幾つもの企業が自社のデータを匿名化したうえで掲載し、データサイエンティストが最適なモデルで競っているのがわかります。ビッグデータにおける一種のオープンイノベーションの手法と言えるでしょう。

 

2.技術の広範囲化の課題

次に、2番目にあげた「技術の広範囲化の課題」です。IoTを実装していくためには、アプリケーションからデータ通信、サーバ、ネットワーク、データセンターなど様々な技術が必要になります。しかし、1番目の課題と同様、これらの広範囲の技術をカバーできる人材を採用するには困難を極めます。そもそもここまで広範囲の技術を1人でカバーできる人材は非常に稀有な存在だといえます。

この課題に対しては、人ではなくサービスでカバーする方法として、以前ご紹介した記事「簡単にIoTを実践するには ~エンジニアでなくても知っておくべきIoTのサーバーサイド~(http://bdm.change-jp.com/?p=2694)」にある、IoT用のBaaS(Backend as a Service)/MBaas(Mobile Backend as a Service) が有効です。

 

3.電力供給に関する課題

3番目にあげたのが「電力供給に関する課題」です。IoT利用において、モノの遠隔操作や、データの送信をおこなうには電力が必要不可欠です。しかし、遠隔操作や無線によるデータ通信の距離が長くなればなるほど、電力消費量が増加します。この電力をどのように通信機器に供給するかは現時点で大きな課題となっています。いくら省電力のIoT製品が出てきたとしても、電力無しで通信できる非接触型のIoT製品は今のところまだ出てきていません。ワイヤレス充電という技術も、OSSIA社(http://www.ossiainc.com/)の「COTTA」(http://www.ossiainc.com/cota/)など、いくつか話題に挙がったものはあるもののまだ現状は本格化していません。

さらに、2020年にはIoT端末が500億個にもなるといわれています。この500億個にもわたる全てのIoT製品で電力が必要になってくるとなると、とてつもなく膨大な電力が必要になる可能性もでてきました。

 

4.人的ミスに関する課題

そして最後にあげた課題が、「人的ミスに関する課題」です。実はこれが、非常に難解な課題ともいえます。高性能な機械は設定も非常に複雑になるため、人による些細な設定ミスによって、正しく動作しなくなってしまいます。

実際、自動ブレーキング機能をもった自動車による事故がこれまでにもすでに発生しています。しかし、多くのケースでは、「自動ブレーキング機能の設定をし忘れていた」という人為的なミスが原因とされています。

自動ブレーキング機能搭載自動車の事故
https://www.youtube.com/watch?v=_8nnhUCtcO8

 

このような人為的なミスは、現状なかなか防ぎようがありません。将来、ビッグデータ解析により、機械そのものの設定まで機械に任せられるような高度な人工知能の社会が到来するのかもしれませんが、結論が出るのにもう少し時間がかかるといえるでしょう。

まだまだIoTは発展途上であり様々な課題が残っています。一方で、冒頭にもご紹介したとおり着々と我々の社会に浸透しつつあります。一つ言えることは、「課題があるからやらない」のではなく、様々な挑戦の先に課題の解決を見出そうとしている事例が多数存在しているということがいえます。そして、その挑戦には、自社内でおこなうものだけではなく、外部資源の有効活用やオープンイノベーションが今や当たり前になりつつあるということが言えるでしょう。今後出てくる「次世代IoT」への期待が高まります。


<プロフィール>

ビッグデータマガジン編集長 高橋高橋 範光(たかはしのりみつ)

株式会社チェンジ 取締役
ビッグデータマガジン 編集長

大学・大学院で、経営工学や集団意思決定支援を専攻。

卒業後、大手外資系コンサルティングファームに入社。業務システム開発、Webシステム開発、マーケティングROI分析など多方面に渡るITコンサルティングに従事。

現在は、株式会社チェンジの取締役としてIT企業の人材育成に携わりつつ、データサイエンティスト育成事業や、データ解析コンサルティングを手掛ける。

 

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