ビッグデータマガジン

第3回 インターネット広告業界解説「購買ステージ」~ビッグデータ活用のための業界解説~

time 2016/03/10

第3回 インターネット広告業界解説「購買ステージ」~ビッグデータ活用のための業界解説~

こんにちは、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)ビッグデータ解析部の那須川と申します。前回(第2回)の記事では、第1回で紹介したアドテクノロジー分野におけるビッグデータ活用の3つのシーンのうち「基礎属性/趣味/嗜好」「購買に至る可能性」の2つについてご説明しました。
(第2回の記事はこちら:http://bdm.change-jp.com/?p=3605

第3回の本記事では「購買ステージ」についてご説明します。


■アドテクノロジー活用の現状

アドテクノロジーの発展により、広告を見たユーザーがその広告をクリックした、商品購入に至った、というような広告への反応をデータとして取得することができるようになりました。また第2回の記事でご説明したとおり、「購買に至る可能性」の高いユーザーをオーディエンス拡張やリターゲティングでターゲティングすることもできます。

こうしたアドテクノロジーの発展を背景に、購買の獲得効率を最大化したうえで、購買への直接的な貢献度合によって広告を評価することが一般的に行われています。その結果、今すぐに買ってくれそうなユーザーを刈りつくしてしまい、次に買ってくれる見込み顧客がいなくなってしまうという状態に陥ることとなります。

広告の重要な役割の一つは、自社商品を広く世の中に知らせ、見込み顧客(潜在層)を獲得することと考えています。ところがインターネット広告の世界では短期的な効率を高めるための手法と指標が多く広まっており、その重要な役割に対する期待に十分に応えられていません。問題は、見込み顧客の獲得効果を測定できないことにあります。その測定のためにはまず、ユーザーがどのような「購買ステージ」を経て自社商品の購買に至ったかを知る必要があります。

インターネット広告業界 DAC

アドテクノロジー活用の現状
(クリックにて拡大表示されます)

 


■ビッグデータを活用した「購買ステージ」の可視化

そこで、ビッグデータを活用して「購買ステージ」を可視化します。商品購入ユーザーの行動履歴を分析する点は第2回でご紹介したオーディエンス拡張と同じですが、こちらは購買前数ヶ月の比較的長期間を分析対象とします。購買に至るまでにいくつかのステージを推移していくと仮定し、それぞれのステージに特徴的な行動パターンを商品購入ユーザーの行動履歴から見つけ出します。ここでの行動パターンとは、インターネット上でどのようなサイトをよく見ているか、ということです。具体例を見ながらご説明します。

あるマンションの購入について、インターネット上での資料請求を商品購入とみなして分析を行いました。その分析結果を、消費者の購入までの意識の遷移に沿って示したのが下の図です。この例では資料請求に至るまでに4つのステージがあることを仮定しており、4つのステージの中に3つの階層があることがわかりました。また各ステージに特徴的な行動パターンも図に記載しています。注文住宅、賃貸、マンションといろいろ検討している状態が一番初期のステージ、金融系のサイトで住宅ローンの情報を収集するのが次のステージです。購入を検討している地域のイベント・レジャー情報と住宅メーカーのサイトで物件の詳細情報を収集するステージを経て、最終的に物件の資料請求に至る、という購買ステージの推移を読み取ることができました。

 

インターネット広告業界 DAC

サイト閲覧行動のパターン
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■可視化した「購買ステージ」の広告配信への活用

次に、まだ自社商品を購入したことのないユーザーの行動履歴を分析して、彼らが購買ステージのどこに位置しているのかを推測していきます。各ユーザーの購買ステージ上の現在位置が把握できると、現在のステージに応じて、ユーザーの態度変容を促すための最適なアプローチをとることができるようになります。先ほどのマンションの例でいえば、初期ステージで自社物件も検討の候補に入れてもらうため、物件の理解を促す内容の広告を配信する、住宅ローンのサイトを経由して自社サイトを見ている本気度が高いユーザーに対しては、期間限定でキッチンの無料アップグレードのオファーを配信する、といったことができるようになります。

インターネット広告業界 DAC

「購買ステージ」の広告配信への活用
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■見込み顧客の獲得効果の測定

さて、見込み顧客の獲得効果の測定の話に戻ります。エクスポーズド・グループ(広告接触者のグループ)とコントロール・グループ(広告非接触者のグループ)とで購買ステージの進み方を比較することによって、広告が購買ステージの初期のユーザーにどれだけ効果があったかを数値化できると考えています。

例えば先ほどのマンションの例で、一番初期のステージにいるユーザーに広告を配信します。広告接触者のグループ100人のうち、その後物件付近のイベント情報を収集したユーザーが20人いたとします。一方、広告非接触者のグループで同様の行動をとったのが100人のうち10人だったとします。すると、購買初期のステージに対する広告の効果はベースケースの2倍、というように、広告効果を数値で把握することができるようになります。

広告の重要な役割の一つである「自社商品を広く世の中に知らせ、見込み顧客を獲得すること」に対して、購買ステージ初期に対する広告効果を数値化することにより、長期的な視点に立った広告配信ができるようになるだろうと考えています。

 

次回の記事では、ビッグデータに関するアドテクノロジーとインターネット広告業界の今後についてご説明します。

 

【シリーズ記事】
インターネット広告業界解説~ビッグデータ活用のためのやさしい業界解説シリーズ~

第1回:広告業界におけるビッグデータとは
http://bdm.change-jp.com/?p=3452

第2回:「基礎属性/趣味/嗜好」「購買に至る可能性」
http://bdm.change-jp.com/?p=3605

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【執筆企業情報】

DACジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(URLhttps://www.dac.co.jp/

DACビッグデータ解析部は、データサイエンティストやエンジニアなど多様なバックグラウンドを持つ、データ解析のプロフェッショナルチームです。「ビッグデータを基盤に、広告主・媒体社と生活者のコミュニケーションを豊かにする」をミッションに掲げ、日々取り組んでおります。

    

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