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地域経済分析システム(RESAS:リーサス)での訪日外国人の分析 ~長野県を題材に~

time 2016/05/20

地域経済分析システム(RESAS:リーサス)での訪日外国人の分析 ~長野県を題材に~

 

今回は、地域経済分析システム(RESAS:リーサス)を使った訪日外国人に関する分析を示します。RESASは、内閣官房(まち・ひと・しごと創生本部事務局)及び経済産業省が提供する官民ビッグデータを集約し、可視化するシステムです。(https://resas.go.jp/
また、RESASの[観光マップ:外国人メッシュ分析]には、前回の記事でご紹介したナビタイムジャパンさまの「インバウンドGPSデータ」が組み込まれています。

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今回のRESASでの訪日外国人に関する分析事例では、日本アルプスの中心であり、四季折々の楽しみ方ができる長野県を採り上げます。RESASの観光マップを使って、長野県を訪れる外国人の動向を分析してみます。
まず、RESASの[観光マップ:外国人訪問分析]で、長野県にカーソルを合わせると、2014年において長野県を訪れた外国人は約38万人と推定されていることが分かります。なお、この推定値は日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客数」のデータを利用しています。

画像01外国人訪問分析(出典:RESAS 地域経済分析システム)

 

次に今回着目する都道府県として「長野県」を選択し、画面右側の「指定した都道府県で分析する」をクリックすると、長野県を訪れた外国人が国籍別に棒グラフで表示されます。この棒グラフから、2014年に長野県を訪れた外国人では、台湾人が13.5万人と群を抜いて多く、35%を占めていることが分かります。またRESASの画面右側の「訪問目的を指定する」から「観光・レジャー目的」を選択することで、訪問目的を限定することができます。すると、2014年に長野県を訪問した台湾人は、その95%が「観光・レジャー目的」であることが分かります。2014年に長野県を訪れた外国人観光客を国籍別に見ると、1位の台湾人観光客が12.8万人であり、2位のオーストラリア人観光客の3.5万人を大きく引き離しています。

画像02国籍別訪問者数

(出典:RESAS 地域経済分析システム)

また、RESASではいくつかのデータをダウンロードすることができ、ローカルでも分析することができます。RESAS画面の右下の「データをダウンロード」から[観光マップ:外国人訪問分析]のCSVデータをダウンロードします。ダウンロードしたデータから、2014年に長野県を訪れた外国人観光客数1位の台湾と2位のオーストラリアに関して、その推移を四半期別に見てみます。すると、長野県を訪問する台湾人観光客は2012年度に大幅に伸びており、訪問時期は4月~6月に多いことが分かります。一方で、長野県を訪問するオーストラリア人観光客は、そのほとんどが1月~3月に訪れていることが分かります。国籍によって、長野県を観光する季節が大きく異なることが分かります。1月~3月に長野県を訪れるオーストラリア人観光客は、ウィンタースポーツを主な目的としていることが推察されます。一方で、4月~6月に長野県を訪れる台湾人はどこに、何を目的に来ているのかをRESASを使って考えてみます。

画像03台湾人・オーストラリア人四半期推移(出典:RESAS 地域経済分析システム)

 

RESASの[観光マップ:外国人メッシュ分析]を用いると、前回の記事でご紹介したナビタイムジャパンさまの「インバウンドGPSデータ」から2014年11月~2015年4月において、外国人が滞在した位置がメッシュで表示されます。[観光マップ:外国人メッシュ分析]から、この時期に長野県を訪れた外国人は、長野市や松本市よりも軽井沢町に滞在していることが分かります。

画像04外国人メッシュ分析-軽井沢注目(出典:RESAS 地域経済分析システム)

以上より、RESASから長野県を訪問する外国人に関して、下記のことが分かりました。

・2014年に長野県を訪れた外国人1位は台湾人(外国人全体の35%)

・2014年の台湾人の長野県訪問は、その95%が「観光・レジャー目的」

・長野県を訪れる台湾人観光客は2012年度に急増

・台湾人観光客の主たる長野県訪問時期は4月~6月

・2014年11月~2015年4月において、外国人の多くが軽井沢町に滞在

これらの情報から、2012年4月~6月に台湾人の軽井沢観光の人気に火をつけ、定着させる要因があったのではないかと考えられます。

 

調べてみると、台湾の人気歌手の林宥嘉(Yoga Lin)さんが、春の軽井沢をプロモーションビデオの舞台にした勉強幸福(Fools’ Bliss)という曲を2012年6月にリリースしたことが分かりました。このプロモーションビデオのYouTubeでの再生回数は500万回を越えています。

このプロモーションビデオのロケ情報や動画から、台湾人にとって春の軽井沢観光が定着した可能性が考えられます。プロモーションビデオのように、台湾人観光客は春の軽井沢で散歩や森林浴を楽しんでいるのかも知れません。

 

RESASではインバウンド(訪日外国人旅行)のような、これまでデータ分析を行うことが難しかった分野に関しても、ウェブブラウザ(Google Chrome)で分析することができます。簡単な操作で直感的な出力が得られるRESASは、データ分析の専門家以外にも普及していくことが見込まれます。

 

(齋藤経史)

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